ブルーベリー統計情報

ブルーベリーの地域別の収穫量・生産量の統計やランキング、日本の輸入量や価格動向などをお伝えしています。

世界のブルーベリー生産量

世界のブルーベリー生産量はFAO(国連食糧農業機関)が公表する統計(2022年)で122.8万トン、前年(2021年)の111万トンから約10%の増となりました。FAO統計には中国・日本の生産量が含まれていませんので、弊社独自の統計値を加えると、約176万トンとなります。中国の生産量は52万トンに達していると見込まれており、2位のアメリカの倍近くの生産量まで急増しています。日本は約2,200トンの生産量で世界19位となっています。

data : FAOSTAT及び自社(2022)

世界のブルーベリー生産量動向/地域別生産シェア

世界でのブルーベリー(ワイルド、カルチベイト、ビルベリーを含む)生産量を地域別に2004年から2013年まで集計すると、2004年から2013年の10年間で生産量が2倍以上に増加しています。主にアメリカ・カナダ・チリ・アルゼンチンでの増産が寄与しています。また近年中国での栽培が著しく増加してきています。2017年は主要産地であるアメリカ・カナダが減収となりましたが、中国・チリなど他のエリアでの増産により世界トータルの生産量も4%増加となりました。2018年は主に中南米(ペルー・チリ・アルゼンチン)などで生産量が順調に増えて世界トータルで90万トンを超えました。2019年はアメリカ及び中国でのカルチベイトブルーベリーの収穫量が増え、始めて世界合計で100万トンを超えました。2020年は中国・ペルー・チリのカルチベイトブルーベリー生産量が伸び130万トンに達しました。2021-2022年もわずかですが生産量は伸びを続け、2022年には世界の生産量は170万トン規模になっていると考えられます。

世界でのブルーベリー(ワイルド、カルチベイト、ビルベリーを含む)の2022年の生産量地域別のシェアは、主要地域の北アメリカの生産量が減少し、チリ・ペルーといった中南米、ヨーロッパに加えて中国での生産量の急激な増加により世界シェアは2020年(35%)よりも下がり28%になりました。

data : FAOSTAT及び自社(2022)

ブルーベリー生産量ランキング

世界でのブルーベリー(ワイルド、カルチベイト、ビルベリーを含む)2022年生産量のトップ5は中国、アメリカ、ペルー、カナダ、チリとなっています(※中国はFAO統計に含まれておらず、自社調査結果を使用しています)。モロッコが近年生産量を増やし続けており初めてトップ10にランキング入りしました。

data : FAOSTAT及び自社(2022)

北米ブルーベリー生産量

北米(アメリカおよびカナダ)の野生種(Wild blueberries)と栽培種(Cultivated Blueberries)の2009年からの収穫量を図示しています。濃い青色が野生種(ワイルドブルーベリー)、明るい青色が栽培種(カルチベイトブルーベリー)の収穫量(単位:トン)となります。いずれもアメリカとカナダの生産量の合計となります。野生種・栽培種共に2014年から2016年の豊作でした。野生種ブルーベリーはこの影響もありここ3年間は過去10年間の平均収穫量を下回る生産量となっております。栽培種ブルーベリーは2018年以降作付面積が増加していることもあり順調に生産量を伸ばしてきています。

data : FAOSTAT及び自社(2022)

2016年

2016年は北米のワイルドブルーベリー収穫量は約18万3千トンと統計史上最高の収穫量となり、価格は下がりました。カルチベイトブルーベリーは中国やヨーロッパを初め海外での需要が引き続き旺盛ですが、生産量が世界的に増大していることもあり、供給が潤沢で価格もここ数年で最も低価格となっています。

2017年

2017Cropのワイルドブルーベリーは暖冬で春の生育が良かったものの、アメリカメイン州では干ばつ気味となり過去3年のメイン州収穫量平均と比べると3割を超える減収となりました。カナダ北東部では開花時期に降霜があったり、夏場の雨量が少なかったり、価格下落により農家が管理面積を減らすなどしたため北東部マリタイムズ(ノバスコシア、ニューブランズウィック、プリンスエドワード島)で2割減、ケベック州で3割減となりました。最終的にはカナダ産で9万8千トン、アメリカメイン州で3万2千トンと北米トータルでは昨年度比3割減となり13万トン程度となる見込みです。

カルチベイト(栽培種)ブルーベリーも南部のジョージア州などでの霜害などにより収穫量が15%ほど減少し、33万トン程度となると見込まれています。

2018年

2018Cropのワイルドブルーベリーは主要産地のカナダ・ノバスコシア州およびアメリカ・メイン州で受粉時期に襲った寒波の影響で受粉率が低くなったこと、受粉できた果実もその後の低気温の影響・降霜によるダメージで結実しなかったり、果実のサイズが小さくなるなどの要因で収穫減となりました。またアメリカ・カナダ東部全体として果実が成長する夏期に降雨が少なく干ばつ傾向となったため、成長度合いが低下したり果実のサイズが小さいまま熟したり、1株になる実の数が減少するなどの影響でノバスコシアで例年比60%程度、メイン州では半減となりました。北米全体では2017Crop比で2割減となりました。

カルチベイト(栽培種)ブルーベリーでは主要産地のアメリカ・ミシガン州で前年比4割減となったものの、西海岸のオレゴン・ワシントン州で記録的な豊作を記録し、北米全体としては2017Crop比で4%増となりました。

2019年

2019Cropの北米ワイルドブルーベリーの収穫は例年より7-10日遅れで始まりました。開花時期の降霜による被害が思ったよりも深刻で、また近年の価格下落により農家が管理面積を減らすなどしたため北東部マリタイムズ(ノバスコシア、ニューブランズウィック、プリンスエドワード島)で2割減、ケベック州で3割減となりました。最終的にはカナダ産で9.6万トン、アメリカメイン州で2万7千トンと北米トータルでは昨年度(10万7千トン)よりも多く12万4千トン程度となったと推定されております。

カルチベイト(栽培種)ブルーベリーは南部・東部を中心に生産量は落ち込みましたが、オレゴン・ワシントン・ブリティッシュコロンビアの3大生産地域で豊作となったため、昨年より1万トンほど多い38万トン程度となりました。

2020年

2020Cropのワイルドブルーベリーは主要産地のカナダ北東部およびアメリカ・メイン州で開花受粉時期に襲った寒波・降霜の影響で受粉率が低くなったこと、受粉できた果実も夏場の干ばつによるダメージで成長が悪く、果実のサイズが小さくなるなどの要因で大幅な収穫減となりました。2019年比で25%減、過去10年間の平均生産量と比べても24%減となりました。これによりIQFワイルドブルーベリーの価格は50%上昇となりました。

カルチベイト(栽培種)ブルーベリーでは南東部のフロリダ・ジョージア州、カナダのブリティッシュコロンビア州で大幅な不作、ミシガンで若干の不作となりましたが、その他の地域ではほぼ例年並みか微減となったことにより2019年比で7%減となりましたが、カルチベイトブルーベリーの作付面積が過去10年毎年増えてきていることから、過去10年の平均と比べると15%増となっております。

2021年

2021Cropのワイルドブルーベリーは最も生産量の多い産地のカナダケベック州の主要産地で昨年比47%と大幅な減産となりました。2019-2020年と2年連続で3万トン程度と不作だったメイン州では生産量が復活し、4万7000トンとなりました。北米トータルで12万トンと最も不作だった昨年に比べると生産量が回復致しましたが、冷凍在庫のキャリーオーバーが全くない状況かつ新型コロナウイルスから回復しつつある北米経済が好調でブルーベリーへの引合いが強かったことから価格は2020Cropに比べて15-20%程上昇致しました。

カルチベイト(栽培種)ブルーベリーではアメリカ西海岸で豊作が期待されておりましたが6月の異常熱波により樹勢が衰えたり7月以降の水不足のため果実が成長できなかった地域もあり、想定した量の80%程度の生産量となりました。小売での生鮮ブルーベリーの需要が増え、外食からの引合いも強く生産量としては十分だったものの価格は昨年よりも10%程高くなりました。

2022年

ワイルドブルーベリーに関しては、前年豊作だったメイン州が記録的な干ばつで生産量が30-40%減、一方でカナダケベック州は豊作となり、トータルの生産量としては前年より微増の12.5-13万トン程度になったと見込まれています。昨年同様冷凍在庫のキャリーオーバーが無く、新クロップの一部が前年の契約未履行分に回ったため、新クロップとして市場に出回ったのは10-11 万トン程度と前年より少なく価格は前年より高くなっています。

カルチベイトブルーベリーについてはカリフォルニア、ジョージア、ミシガン、ニュージャージーなど低緯度・南部の山地で干ばつによる減収が発生、主要産地のワシントン州・オレゴン州・ブリティッシュコロンビア州は平年並みか平年より良かったのですが、北米合計としては3年連続で前年割れとなりました。

2023年

ワイルドブルーベリーに関しては、ケベック州・ノバスコシア州・ニューブランズウィック州で前年比よりわずかに減少となり、トータルの生産量も微減となりました。

北米ブルーベリー品種と産地別の生産動向

北アメリカ大陸(アメリカ・カナダ)ではワイルドブルーベリー(野生種)とカルチベイトブルーベリー(栽培種)が生産されています。

これまでブルーベリー生産量の約1/4が野生種、栽培種は75%でした。2020年は野生種が歴史的不作、栽培種が微減となったことにより、相対的に野生種が占める割合が史上最低の21%となりました。2022/2023年は野生種の生産量が回復し、相対的にシェアが増え北米で収穫されたブルーベリーの約30%が野生種となっています

北米ブルーベリー産地品種別動向(2023年)

北米ブルーベリー産地品種別動向(2022年)


北米ワイルドブルーベリー州別生産量推移

2016年に史上最高となる18.4万トンを記録して以降天候不順や山火事などにより生産量が低迷していましたが、2021年以降生産量が回復基調となっています。


北米カルチベイトブルーベリー州別生産量推移

2000年以降ブルーベリーの健康効果などへの注目が高まり、アメリカの学校給食などにも採用されるなど需要が伸び続け、生産量は年々増加してきました。2019年に史上最高の39.5万トンを記録、その後も35-40万トン程度の生産量となっています。

ブルーベリー産地と収穫量について

ワイルドブルーベリー栽培地域マップ

ワイルドブルーベリーは北米東海岸北部の米国メイン州とカナダのケベック、ノバスコーシアやニューブランズウィック州が主な産地で他のエリアでは生育していません。人工的に栽培ができず「ワイルド」ブルーベリーと呼ばれる所以です。

一方カルチベイトブルーベリー(栽培種)は、米国農務省が20世紀前半にワイルドブルーベリーの中で栽培が可能な品種を栽培が収穫がしやすいように品種改良したもので、北米では南はフロリダからカナダのブリティッシュコロンビア州まで北米の多くの地域で栽培されています。現在ではアメリカ、カナダだけでなく、チリ、アルゼンチン、中国をはじめ多くの国で栽培されていいます。人間が収穫しやすいように樹高がワイルドブルーベリーと比べると高く、果実の大きさも大きいのが特徴です。

ワイルドブルーベリーは極めて野生に近い生態で必要最低限の管理(灌水、農薬など)しか行っておらず、また栽培面積を増やす方法も限られているため、生産量を爆発的に伸ばすことができません。また収穫量は生育ステージでの気温や降雨・降雪量などにより大きく左右されます。

一方カルチベイトブルーベリーは、土壌のpHや栄養要求などが特殊ではありますが、耕作し、苗を植え、管理することで4~7年ほどで収穫が可能になります。そのため、需要の増大に併せ栽培面積や収穫量を増やすことができます。しかしワイルドブルーベリーと同様気温など自然条件に収穫量が大きく左右されることには変わりはありません。

カナダの収穫エリアと州別生産量(2023年)

カナダのブリティッシュ・コロンビア州(British Columbia)はカルチベイト種のみが栽培されています。それ以外(カナダ東部の州)は主にワイルド種ですが、オンタリオ州・ケベック州・ノバスコシア州はワイルド種・カルチベイト種の両方が栽培されており、合算した数値を使用しています。

Statistics Canada

カナダ主要生産州のブルーベリー栽培エリア

  • ケベック州:主に野生種(ワイルドブルーベリー)が自生しており、サグネ・ラック・サン・ジャン地域に属するマリア=シャプドレーヌ、サグネ・ラック・サン・ジャン、ル・ドメンヌ=デュ=ロワの3郡で州の89%を占めます。
  • ニューブランズウィック州:北部アケーディアン半島に位置するグロスター郡だけで州の61%の作付面積を占めています。これは前回(2016年)の調査と大きく異なり、アケーディアン半島で栽培面積が急速に伸びています。2016年次点では南部ファンディ湾に面するシャーロット郡、北部セントローレンス湾に面するウェストモーランド郡、ケント郡の3群で州全体の83%を、隣接するアルバート郡、キング郡を加えた5郡で州全体の99%以上を占めていました。
  • ノバスコシア州:北部のノースショア地方のカンバーランド郡、コルチェスター郡、ピクトゥ郡で州全体の84%を占めています。
  • ブリティッシュコロンビア州:栽培種(カルチベイトブルーベリー)が栽培されています。アメリカ国境に接しているグレーターバンクーバー地域(現在はメトロバンクーバー地域と改称されています)で州全体の54%が栽培されており、隣接するフレーザーバレー郡と合わせた2郡で98%が栽培されています。

アメリカの収穫エリアと州別生産量(2023年)

アメリカのメイン州(Maine)はワイルド種で、それ以外の州はカルチベイト種です。

アメリカ主要生産エリア(郡単位)のブルーベリー作付面積

最新(2022年版)の農業統計で公開されている郡単位の作付面積をマッピングしました。

  • ワシントン州:州全体で約15,000エーカーです。カナダ国境近くのワットコム郡、スカジット郡で州の57%が栽培されています。
  • オレゴン州:州全体で約11,000エーカーです。北中央部のウィラメットバレーに位置するマリオン郡、リン郡、ワシントン郡で州の63%が栽培されています。
  • メイン州:州全体で約18,000エーカーで、ほとんどが野生種(ワイルドブルーベリー)となります。南東海岸部に位置するワシントン郡、ハンコック郡で州の88%を占めます。
  • ミシガン州:州全体で約19,000エーカーです。ミシガン湖東岸のヴァンビューレン郡・オタワ郡・アレガン郡で州の81%が栽培されています。
  • ニュージャージー州:州全体で約9,300エーカーです。大西洋岸のアトランティック郡で州の70%が、隣接するバーリントン郡・カンバーランド郡を合わせたトップ3郡で98%が栽培されています。
  • ノースカロライナ州:州全体で約8,500エーカーです。大西洋岸のブレーデン郡で州の78%を、隣接するペンダー郡・サンプソン郡と合わせた3郡で州の89%が栽培されています
  • ジョージア州:州全体で約22,000エーカーです州南部フロリダ州に近いクリンチ郡、ベーコン郡・アトキンソン郡・アップリング郡・コフィー郡・ウェア郡・ブラントリー郡・ピアース郡で州の90%が栽培されています。
  • フロリダ州:州全体で約9,000エーカーです。州中央部のアラチュア郡・ポーク郡・ヒルスボロ郡・マリオン郡・レーク郡・サムター郡・パスコ郡・シトラス郡・レビー郡で州の70%が栽培されています。
  • カリフォルニア州:州全体で約4,000エーカーです。州中央部のトゥーレアリ郡・フレズノ郡の2群で州の82%が栽培されています。

過去の郡単位のブルーベリー作付面積も公開しています

Census of Agricultureは5年ごとにUSDAが大規模統計を取っています。過去の統計のマップおよび最新のマップとの比較はこちらから別ページを開いてご覧下さい。

過去の郡別作付面積マップ

日本のドライベリー類輸入量推移

過去5年間の日本のドライベリー類輸入量推移実績です。この数値にはブルーベリーの他クランベリーやストロベリーなどその他のドライベリー製品の輸入量も含まれています。2011年には2,700トンを輸入していましたが、2015年には1,470トン弱まで減少しています。2017年には1,420トンまで下がりましたが、2018年には1割ほど回復し1,558トンの輸入量でしたが2019年は1,270トン、2020年は過去最低を更新し1,197トンとなっています。

アメリカが輸入相手国として最大ですが、年々そのシェアは低下してきており2019年では42%、2020年では34%と下がり続けてきましたが、最新の2023年では37.7%とシェアを回復しています。2023年の総輸入量は930トンで、2018-2022年の過去5年の平均輸入量(1230トン)と比べると24%ほど減少しています。

日本のブルーベリー都道府県別生産量(2019年)

日本の2019年のブルーベリー生産量は約2,400トン、最も生産が多いのが東京で372トンでした。ブルーベリーは実が柔らかく日持ちも短いことや、ブルーベリー狩りなどを楽しむ目的もあり最大の消費地・東京に近い場所で生産される傾向があります。2019年のトップ5は東京、長野、群馬、茨城、千葉の順で全国生産量の約50%を生産しています。ここ10年ほぼ2000~2500トンのレベルで推移しています。

ワイルドブルーベリーとは?

ワイルドブルーベリーの画像

ワイルドブルーベリーは米国およびカナダ北東部でのみ自生するローブッシュ(low bush)のブルーベリーです。厳しい環境で生き抜くためにアントシアニンを作り出す碧い小さな果実についてはこちらをご覧下さい。

ワイルドブルーベリー

収穫統計一覧

ドライブルーベリーの画像

フルーツ・ナッツ類の主要生産国・日本の生産統計、作付面積や輸入実績などの統計を個別にまとめています。

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