ブルーベリー統計情報

世界のブルーベリー生産量

世界のブルーベリー生産量はFAO統計(2021年)で111万トン。FAO統計には中国の生産量が含まれていませんので、弊社独自の統計値を加えると、約140万トンとなります。日本は約2,500トンの生産量で世界1

6位となっています。

世界でのブルーベリー(ワイルド、カルチベイト、ビルベリーを含む)の2020年の生産量地域別のシェアは、主要地域の北アメリカの生産量が減少し、チリ・ペルー・中国の生産量が増えたため世界シェアは昨年(44%)よりも下がり32%になりました。

data : FAOSTAT及び自社統計

世界のブルーベリー生産量動向/地域別生産シェア

世界でのブルーベリー(ワイルド、カルチベイト、ビルベリーを含む)生産量を地域別に2004年から2013年まで集計すると、2004年から2013年の10年間で生産量が2倍以上に増加しています。主にアメリカ・カナダ・チリ・アルゼンチンでの増産が寄与しています。また近年中国での栽培が著しく増加してきています。2017年は主要産地であるアメリカ・カナダが減収となりましたが、中国・チリなど他のエリアでの増産により世界トータルの生産量も4%増加となりました。2018年は主に中南米(ペルー・チリ・アルゼンチン)などで生産量が順調に増えて世界トータルで90万トンを超えました。2019年はアメリカ及び中国でのカルチベイトブルーベリーの収穫量が増え、始めて世界合計で100万トンを超えました。2020年は中国・ペルー・チリのカルチベイトブルーベリー生産量が伸び130万トンに達しました。

data : FAOSTAT及び自社統計

ブルーベリー生産量ランキング

世界でのブルーベリー(ワイルド、カルチベイト、ビルベリーを含む)2019年生産量のトップ5はアメリカ、中国、カナダ、チリ、ペルーとなっています(※チリ、中国はFAO統計に含まれておらず、自社調査結果を使用しています)。2020年の生産量トップ5は中国、アメリカ、ペルー、チリ、カナダと始めて中国が世界トップに、アメリカとカナダは異常気象などにより生産量を落とし順位を下げています。

data : USDA及び自社統計

北米ブルーベリー生産量

北米(アメリカおよびカナダ)の野生種(Wild blueberries)と栽培種(Cultivated Blueberries)の2009年からの収穫量を図示しています。濃い青色が野生種(ワイルドブルーベリー)、明るい青色が栽培種(カルチベイトブルーベリー)の収穫量(単位:トン)となります。いずれもアメリカとカナダの生産量の合計となります。野生種・栽培種共に2014年から2016年の豊作でした。野生種ブルーベリーはこの影響もありここ3年間は過去10年間の平均収穫量を下回る生産量となっております。栽培種ブルーベリーは2018年以降作付面積が増加していることもあり順調に生産量を伸ばしてきています。

北米ブルーベリー品種と産地別の生産動向

北アメリカ大陸(アメリカ・カナダ)ではワイルドブルーベリー(野生種)とカルチベイトブルーベリー(栽培種)が生産されています。

これまでブルーベリー生産量の約1/4が野生種、栽培種は75%でした。2020年は野生種が歴史的不作、栽培種が微減となったことにより、相対的に野生種が占める割合が史上最低の21%となりました。2021年は野生種の生産量が回復し、相対的にシェアが増え北米で収穫されたブルーベリーの約1/4が野生種となっています。

ブルーベリー産地と収穫量について

ワイルドブルーベリーは北米東海岸北部の米国メイン州とカナダのケベック、ノバスコーシアやニューブランズウィック州が主な産地で他のエリアでは生育していません。人工的に栽培ができず「ワイルド」ブルーベリーと呼ばれる所以です。

一方カルチベイトブルーベリー(栽培種)は、米国農務省が20世紀前半にワイルドブルーベリーの中で栽培が可能な品種を栽培が収穫がしやすいように品種改良したもので、北米では南はフロリダからカナダのブリティッシュコロンビア州まで北米の多くの地域で栽培されています。現在ではアメリカ、カナダだけでなく、チリ、アルゼンチン、中国をはじめ多くの国で栽培されていいます。人間が収穫しやすいように樹高がワイルドブルーベリーと比べると高く、果実の大きさも大きいのが特徴です。

ワイルドブルーベリーは極めて野生に近い生態で必要最低限の管理(灌水、農薬など)しか行っておらず、また栽培面積を増やす方法も限られているため、生産量を爆発的に伸ばすことができません。また収穫量は生育ステージでの気温や降雨・降雪量などにより大きく左右されます。

一方カルチベイトブルーベリーは、土壌のpHや栄養要求などが特殊ではありますが、耕作し、苗を植え、管理することで4~7年ほどで収穫が可能になります。そのため、需要の増大に併せ栽培面積や収穫量を増やすことができます。しかしワイルドブルーベリーと同様気温など自然条件に収穫量が大きく左右されることには変わりはありません。

カナダのブリティッシュ・コロンビア州(British Columbia)はカルチベイト種で、それ以外(カナダ東部の州)はワイルド種です。オンタリオ州・ケベック州・ノバスコシア州はワイルド種・カルチベイト種の両方が栽培されており、合算した数値を使用しています。

カナダの収穫エリアと州別生産量(2022年)

カナダ主要生産州のブルーベリー栽培エリア

  • ケベック州:主に野生種(ワイルドブルーベリー)が自生しており、サグネ・ラック・サン・ジャン地域に属するマリア=シャプドレーヌ、サグネ・ラック・サン・ジャン、ル・ドメンヌ=デュ=ロワの3郡で州の89%を占めます。
  • ニューブランズウィック州:北部アケーディアン半島に位置するグロスター郡だけで州の61%の作付面積を占めています。これは前回(2016年)の調査と大きく異なり、アケーディアン半島で栽培面積が急速に伸びています。2016年次点では南部ファンディ湾に面するシャーロット郡、北部セントローレンス湾に面するウェストモーランド郡、ケント郡の3群で州全体の83%を、隣接するアルバート郡、キング郡を加えた5郡で州全体の99%以上を占めていました。
  • ノバスコシア州:北部のノースショア地方のカンバーランド郡、コルチェスター郡、ピクトゥ郡で州全体の84%を占めています。
  • ブリティッシュコロンビア州:栽培種(カルチベイトブルーベリー)が栽培されています。アメリカ国境に接しているグレーターバンクーバー地域(現在はメトロバンクーバー地域と改称されています)で州全体の54%が栽培されており、隣接するフレーザーバレー郡と合わせた2郡で98%が栽培されています。

アメリカの収穫エリアと州別生産量(2022年)

アメリカのメイン州(Maine)はワイルド種で、それ以外の州はカルチベイト種です。

アメリカ主要生産州のブルーベリー栽培エリア

  • ワシントン州:カナダ国境近くのワットコム郡、スカジット郡で州の85%が栽培されています。
  • オレゴン州:北中央部のウィラメットバレーに位置するマリオン郡、リン郡、ワシントン郡で州の75%が栽培されています。
  • メイン州:野生種(ワイルドブルーベリー)が自生しており、南東海岸部に位置するワシントン郡、ハンコック郡で州の85%を占めます。
  • ミシガン州:ミシガン湖東岸のヴァンビューレン郡・オタワ郡・アレガン郡で州の85%が栽培されています。
  • ニュージャージー州:大西洋岸のアトランティック郡で州の70%が、隣接するバーリントン郡・カムデン郡を合わせたトップ3郡で95%が栽培されています。
  • ノースカロライナ州:大西洋岸のブレーデン郡で州の78%を、隣接するペンダー郡と合わせた2郡で州の90%が栽培されています。
  • ジョージア州:州南部のベーコン郡・アップリング郡・ウェア郡で75%を、隣接するアトキンソン郡・コーヒー郡を加えた5郡で州の90%が栽培されています。
  • フロリダ州:州中央部のアラチュア郡・ポーク郡で州の50%を、ヒルスボロ郡・マリオン郡・レーク郡を加えた5郡で州の75%が栽培されています。

日本のドライベリー類輸入量推移

過去5年間の日本のドライベリー類輸入量推移実績です。この数値にはブルーベリーの他クランベリーやストロベリーなどその他のドライベリー製品の輸入量も含まれています。2011年には2,700トンを輸入していましたが、2015年には1,470トン弱まで減少しています。2017年には1,420トンまで下がりましたが、2018年には1割ほど回復し1,558トンの輸入量でしたが2019年は1,270トン、2020年は過去最低を更新し1,197トンとなっています。

アメリカが輸入相手国として最大ですが、年々そのシェアは低下してきており2019年では42%、2020年では34%となっています。ブルガリア・デンマークからの輸入が急増しています。

財務省貿易統計:HS Code 200899212

日本のブルーベリー都道府県別生産量(2019年)

日本の2019年のブルーベリー生産量は約2,400トン、最も生産が多いのが東京で372トンでした。ブルーベリーは実が柔らかく日持ちも短いことや、ブルーベリー狩りなどを楽しむ目的もあり最大の消費地・東京に近い場所で生産される傾向があります。2019年のトップ5は東京、長野、群馬、茨城、千葉の順で全国生産量の約50%を生産しています。ここ10年ほぼ2000~2500トンのレベルで推移しています。

農林水産省作物統計:作況調査(果樹)

A pioneer of dried blueberries in Japan

Oregon Cherry Growers

Oregon Cherry GrowersはPacific Coast Producersの子会社です。