カナダ西海岸で港湾労働者のストライキが長期化の模様

7月1日(土)のカナダ独立記念日から72時間の予定で始まったストライキですが、7月3日(月)から始まった労使交渉がまとまらず、7月6日(木)の時点でもストライキが続いています。

ブリティッシュコロンビア州の30以上の港湾・倉庫などで働く港湾労働組合員の内、7000人を超える人がストライキに参加しており、その中でもカナダの約3割の国際貨物を取扱うバンクーバー港のストライキがこれ以上長期化すると輸出入に大きな影響がでてくることが懸念されています。

通常シアトルを出港したコンテナ船はバンクーバー港で貨物の積み下ろし・積み込みを行い、日本などアジア方面へ向かいますが、これからバンクーバー港に入港を予定している船は概ね1-2週間の遅れが既に発生している模様です。

7月5日(水)の時点でバンクーバー港内・港外を含め50隻以上の船舶が停泊しています。

そもそも何が原因でストライキが発生?

通常ストライキは労働環境や賃金などの折り合いが付かないことが主要因ですが、今回のストライキはそれに加えて労組側が港湾・設備などのメンテナンスを港湾サイド(海事使用者組合)が請負業者の利用をどんどん拡大させており労組側に保証されているメンテナンス業務を侵食していると訴えています。

一方港湾サイド(海事使用者組合)は協約に規定されているメンテナンス業務の範囲を大きく超えている業務まで「メンテナンス」に含めようとしており、業務の支配権を拡大させようとしているとしており、歩み寄りの気配が現時点では見られていません。

今後どうなるのか?

バンクーバー港の全てのコンテナターミナルで業務が停止あるいはほぼ停止の状態で、船社各社は状況に応じてバンクーバー港を抜港するなどの対応をとると見込まれています。西海岸から日本への航路(PN航路)では2週間を超える遅延が発生する可能性が高くなっています。