チェリー統計情報

チェリー(ダークスイートチェリー、サワーチェリー)の収穫統計、輸出入統計、生産情報などを記載しています。

世界のダークスイートチェリー生産量

ダークスイートチェリーは大粒で甘くそのまま食したり、冷凍、缶詰、瓶詰、ドライなどさまざまな加工品でも用いられているチェリーです。日本で栽培されるほとんどのさくらんぼがこのスイートチェリーになります。濃い赤紫のビング種から佐藤錦・レイニアなどの赤・黄色の品種まで多種多様な品種があります。国連食糧農業機関(FAO)のダークスイートチェリー生産量を統計をグラフにしてあります。

2017年

2017年のダークスイートチェリーの生産量は245万トンで、10年で32%の伸びを見せています。

ヨーロッパの生産量は過去10年で2%増えていますが、北米の生産量は80%以上とほぼ倍増となっています。中東でも35%、アジアでは57%とこれらの地域がダークスイートチェリーの生産量の増加を担っていることが判ります。

2018年

2018年のダークスイートチェリーの生産量は255万トンで昨年比4%、過去10年の平均と比べると17%の伸びを見せています。特にアジア・南米で生産量の増加が大きく10年で50%以上生産量を増やしてきています。

ヨーロッパ・アジア・南米は昨年比10%以上生産量が増えて豊作傾向でしたが、北米は-20%とミシガン一帯で収穫期の降雨などによる病害・虫害などにより生産量を大きく落としています。

2019年

2019年のダークスイートチェリーの生産量は260万トンで昨年比2%、過去10年の平均と比べると13%の伸びを見せています。

ヨーロッパのチェリー主要生産国(イタリア、ギリシャ、ウクライナ、ルーマニア、ポーランド)で寒波などの影響で軒並み生産量を落とし、ヨーロッパ合計では昨年比10%減となっています。

北米はアメリカが微増、カナダが微減で合計するとほぼ前年並みとなっています。

中東では最大の生産国トルコが豊作、イランの生産量が減りましたが、中東合計では前年比5%増となっています。

2020年

2020年のダークスイートチェリーの生産量は260万トンで昨年比とほぼ同じ、過去10年の平均と比べると13%の伸びを見せています。ヨーロッパ・北米は減産となりましたが、中東・南米が昨年よりも生産量を伸ばしました。

2021年

2021年は主要生産国のトルコ、イランで減産となったもののその他の地域では比較的順調、アメリカは豊作となったため、世界全体の生産量は前年より12万トン増産(5%アップ)の273万トンとなりました。

2022年

主要生産地のアメリカ・トルコで減産となったものの世界全体の生産量はほぼ前年と並ぶ276万トンとなりました。

北米は過去15年で最も生産量が少なくなりました。2008年の大凶作とならぶ22万トンとなり、史上最高の作柄だった2017年の40万トンのほぼ半分となりました。最大の生産地ワシントン州では春先の厳しい寒波により受粉・結実が上手くいきませんでした。カリフォルニア州では2-3月にかけての寒波により結実期の果実にダメージが発生しました。オレゴン州では同様に寒波と降水量が例年に比べて多く果実の結実・生長に影響が発生しました。これらのことより記録的な不作となりました。

世界のサワーチェリー(タートチェリー)生産量

サワーチェリーは小粒で酸味が強いのが特徴のチェリーで主にチェリーパイやジャムなど加糖した加工品として用いられています。国連食糧農業機関(FAO)のサワースイートチェリー生産量を統計をグラフにしてあります。

2018年

2018年のサワー(タート)チェリーの生産量は153万トンと大幅な不作だった2017年から順調に回復しました。天候のため不作だったヨーロッパが前年比43%増と順調に回復したのが大きな要因となっています。

ヨーロッパの生産量は過去10年で16%増えていますが、中東で14%、アジアでは95%とこれらの地域がサワーチェリーの生産量の増加を担っていますが、逆に北米はこの10年で17%生産量が減少しています。

2019年

2019年のサワースイートチェリーの生産量は140万トンで昨年比8%減、過去10年の平均と比べると7%の伸びを見せています。

東ヨーロッパのチェリー主要生産国(ウクライナ、ポーランド、セルビア、ハンガリー)で寒波などの影響で軒並み生産量を落とし、ヨーロッパ合計では昨年比12%減となっています。

北米はアメリカ・カナダ共に収穫時期の降雨などの天候不順により減産となり、昨年比13%減となっています。

中東では最大の生産国トルコはほぼ前年並み、イランの生産量が増えたため、中東合計では前年比5%増となっています。

2020年

サワーチェリーは148万トンと昨年より微増。北米はアメリカミシガン州などで降霜のため生産量が昨年比半減となりましたが、ヨーロッパの生産量が増えここ20年で最も生産量が多くなりました。

ダーク・サワーを合計したトータルでは408万トンと昨年の400万トンから微増となっています。

2021年

2021年は主要生産国のロシア、ウクライナ、ポーランドなどで生産量が微増となり、世界全体でも3.5万トン増産の15万トンの大台に達しました。

2022年

昨年に引き続き主要生産国のロシア、ウクライナ、ポーランドなどで生産量が微増となり、世界全体でも7.8万トン増産の15.9万トンになりました。

北米では西海岸が主要産地のダークスイートチェリーは半減となりましたが、ミシガンなど中西部が主要産地のサワーチェリーは豊作で11万トンと、前年より42%増産となりました。

世界の全チェリー(ダークスイートチェリー+サワーチェリー)生産量

2019年以降継続して生産量は増えてきており、2022年は史上最高の435.8万トンに達しました。

ダークスイートチェリー主要生産国生産量推移

ダークスイートチェリー各国生産量

世界のチェリー生産量トップ10はトルコ、チリ、ウズベキスタン、アメリカ、スペイン、イタリア、イラン、ギリシャ、ポーランド、シリアの順となります(FAO統計2022年分)。トップ5の国の生産量は世界全体の59%、トップ10では世界全体の76%を生産しています。

アメリカ:チェリー生産量推移

アメリカのチェリー生産量推移です。チェリーはデリケートなフルーツで、豊不作の差が天気によって大きく影響されます。収穫時期に雨が降るなど果実が濡れると実が割れてしまうため、特定の狭い地域で壊滅的な被害を被ることもあります。2012年にはミシガン州で4月の開花時期に寒波に襲われ90%程の樹木で受粉しなかったこともあり、前年の1/10の収穫量となったこともあります。

2019年は豊作が期待されていたもののカリフォルニア州で収穫時期に降雨があり、その後の強風によりチェリーの果実が割れたり、割れた部分にカビが生えたり、成熟した果実が地面に落ちるなど大きな被害が発生しました。

2020年はミシガン州で5月に降霜・降雨があり収穫量が25%ほど減少、最大産地であるPacific North West (PNW: ワシントン・オレゴン州)でもリトルチェリーウイルス(Little Cherry Virus/ LChV)の病害の拡大、COVIDにより充分な収穫作業者が確保できないなどの理由により、ワシントン州で12%、オレゴン州で6%減少となりました。アメリカトータル(サワーチェリー・スイートチェリー合計)では2019年比で10%減の45万トンに落ち込みました。

2022年、最大の生産地ワシントン州では春先の厳しい寒波により受粉・結実が上手くいきませんでした。カリフォルニア州では2-3月にかけての寒波により結実期の果実にダメージが発生しました。オレゴン州では同様に寒波と降水量が例年に比べて多く果実の結実・生長に影響が発生しました。これらのことより記録的な不作となりました。

アメリカンチェリー品種別生産シェア

アメリカで栽培されているチェリーのおよそ80%がダークスイートチェリー、20%がサワーチェリー(タートチェリー)となっています。

2008~2017年の10年間の平均ではダークスイートチェリーが75%、サワーチェリーが25%となっています。

2021年はサワーチェリーの主要産地ミシガン州での近年の作柄不良により相対的にダークスイートチェリーの割合が高くなっていますが、一方で2022年は西海岸の天候不良によりダークスイートチェリーの割合が大幅に低下しました。

アメリカ主要生産州のダークスイートチェリー生産量

2022年の各州の収穫量です。ワシントン州ではダークスイートチェリーとサワーチェリーの両方が栽培されており、その場合合計した量を収穫量として計上しています。トップ3の生産州(ワシントン州、ミシガン州、カリフォルニア州)でアメリカ全体の85%にあたる29万トンを生産しています。

アメリカ主要生産州のダークスイートチェリー作付面積

  • ワシントン州:39,000エーカーで栽培されています。中央部のヤキマ郡、グラント郡、シェラン郡、オカノガン郡、ベントン郡、ダグラス郡、フランクリン郡で栽培されており、これらの郡で95%を占めています。
  • オレゴン州:11,000エーカーで栽培されています。コロンビア川沿いのワスコ郡、フッドリバー郡が中心で、この2群で83%を占めています。
  • カリフォルニア州:37,000エーカーで栽培されています。サンホアキン郡、カーン郡、フレズノ郡、スタニスラウス郡、トゥーレアリ郡などで栽培されています。上位3郡で68%、上位5郡で82%を占めています。
  • ユタ州:200エーカーで栽培されています。中部のユタ郡で州の作付面積の97%を占めています。
  • ウィスコンシン州:50エーカーで栽培されています(ダークスイートチェリーに限定)。五大湖の一つミシガン湖に突き出ているドア半島に位置するドア郡で州の作付面積の98%を占めています。
  • ミシガン州は:6,600エーカーで栽培されています(ダークスイートチェリーに限定)。ミシガン湖沿岸のリーラノー郡、グランドトラバース郡の2群で77%を占めています。
  • ニューヨーク州:400エーカーで栽培されています。五大湖の一つオンタリオ湖沿岸のナイアガラ郡・シャトークア郡で50%を占めています。

アメリカ主要生産州のサワーチェリー作付面積

カリフォルニア州のダークスイートチェリー品種と生産量

カリフォルニア州で過去10年に栽培された品種と栽培量です。Bing種が過去10年の平均では40%となっていますが、2011年以降カリフォルニアで開発されたコーラルシャンパン種の作付・栽培量が増えてきています。実が硬く輸出しても日持ちが良い、酸味が少なく甘いこのコーラルシャンパンは輸出向けの品種として人気になってきています。2018年以降コーラルシャンパン種が最も多く栽培されています。2009年には栽培される2/3を占めていたBing種は2019年にはついに20%を下回る程まで作付面積が低下しました。2021年には初めてコーラルシャンパン種がトップシェアの33%となりました。ビング種も生産量を伸ばしており約30%のシェアをキープしています。2021年に最も伸びたのが新品種のロイヤルタイオーガ種で2年前に比べて収穫量が2倍、シェアで3%を占めるまでに増えてきました。

ダークスイートチェリーの主産地であるワシントン州・オレゴン州では主にビング種・レイニア種・ロイヤルアン種(日本ではナポレオンと呼ばれています)が栽培されています。これらの品種はある程度冬期に低温に曝される必要があり、温暖なカリフォルニアでは栽培が難しい品種で、カリフォルニア州立大学などが温暖なカリフォルニアで栽培できる品種の改良を行ってきています。

日本がカリフォルニアから輸入するフレッシュアメリカンチェリーの品種としてはコーラルシャンパン種が最も多くなっています(2018年)。コーラルシャンパン種はビング種よりも早く収穫でき、収穫量の最も多いワシントン州産のチェリーが日本に輸入されるまでの主要品種として重要になってきています。

アメリカからのチェリー製品輸出

アメリカからの輸出統計:ドライチェリー

ドライチェリーの輸出量は2013年をピークに年々減少しています。中国の輸入量は米国との貿易摩擦により高額の関税を課すようになりました。そのため、ピークの2015年と比べると2018年には-97%、2020年には-63%と大きく減少しています。

マラスキーノチェリー:アメリカからの輸出統計

チェリー加工品の中で最も生産量の多いマラスキーノチェリーはメキシコ、東南アジアを主要輸出先として年間6000トン前後を安定して輸出されております。

チェリー(桜桃):日本での生産量(2020年)

日本の2020年のチェリー(桜桃)生産量は約17,000トン、山形県が断トツの生産量で13,000トンと全国生産量の四分の三を占めています。2023年の速報でも全国で17,300トン、山形県は13,000トンとなっています。

チェリー(桜桃):日本で栽培されている品種

ナポレオンと黄玉を交配して作られた佐藤錦が圧倒的な人気を誇っていますが、近年佐藤錦に天香錦を交配させて作られた紅秀峰が味も良く、日持ちも長いことから生産量を伸ばしてきています。

チェリー(桜桃):主要生産都道府県の生産量推移

日本のさくらんぼ/チェリーの8割以上が山形県で生産されています。2019年以降天候不順などで不作が続いていますが、2022年にはほぼ平年並みまで回復しました。

ワイルドブルーベリーとは?

ワイルドブルーベリーの画像

ワイルドブルーベリーは米国およびカナダ北東部でのみ自生するローブッシュ(low bush)のブルーベリーです。厳しい環境で生き抜くためにアントシアニンを作り出す碧い小さな果実についてはこちらをご覧下さい。

ワイルドブルーベリー

収穫統計一覧

インフォグラフィックのタイトル画像

フルーツ・ナッツ類の主要生産国・日本の生産統計、作付面積や輸入実績などの統計を個別にまとめています。

フルーツ・ナッツ統計情報

品質管理と製造工程

品質管理のロゴ

販促資料、規格書、証明書のダウンロードやFAQ、弊社からのお知らせ・NEWSなどをご覧頂けます。

information center