過酷な環境から自らを守るためアントシアニンを作り出す
ワイルドブルーベリーは北米大陸北東部の緯度の高いエリアで生育しています。実がなる夏は日の出が午前6時、日の入りが午後9時と日が長く、紫外線をたくさん浴びるブルーベリーの実は中の種子を守るため、濃いブルーのアントシアニンなどの抗酸化物質を作り出します。これは人間が紫外線を浴びるとメラニン色素を作り出し、体の内部の組織を紫外線から守るようになっているのと同じ仕組みです。
フルーツに含まれるアントシアニン量
ブルーベリー(野生種) mg
ブルーベリー(栽培種) mg
ブラックベリー mg
ダークチェリー mg
クランベリー mg
ラズベリー mg
アントシアニンはブルーベリーだけではなく、ベリー類、チェリーなどの他、なすや紫キャベツなど様々な野菜にも含まれています。
ワイルドブルーベリー(野生種)に含まれるアントシアニン量を100とした時の代表的なフルーツに含まれるアントシアニン量*を比べるとやっぱりワイルドブルーベリーが非常にアントシアニンが多いことが判っています。
J. Agric. Food Chem. 2006, 54, 4069-4075 4069; DOI: 10.1021/jf060300lアントシアニンと眼の健康
ブルーベリーに含まれるアントシアニンが眼の暗順応(明るい場所から暗い場所に移ったときに、眼が暗闇になれて見えるようになる反応)の機能を助けることが判っています。眼で光を感知するのは網膜上のロドプシンで、ロドプシンに光が当たるとロドプシンが分解されて、光の情報を電気信号に変えて脳に伝えることで脳は光を感知します。分解されたロドプシンはまた再合成されて再利用されますが、アントシアニンは分解されたロドプシン成分の1つと結合し、もう一つの成分との再結合がしやすい状態になることで、ロドプシンの再結合を促します。
ロドプシン再合成は疲れていたり、加齢により低下します。パソコンやスマホなどブルーライトを発生させるスクリーンを見る時間が長く、ロドプシンを酷使している私達の目をアントシアニンたっぷりのワイルドブルーベリーが助けてくれます。ドライワイルドブルーベリーをヨーグルトやグラノーラ・シリアルなどに入れて美味しくて、アントシアニンたっぷりの朝食はいかがですか?