アメリカのカルチベイトブルーベリーは概ね豊作の見込み

2023年のアメリカ産カルチベイトブルーベリーは概ね順調に生育しております。

過去3年(2020~2022年)の主要生産州の平均収穫量に示しているように、主要産地はアメリカ西海岸(カリフォルニア州・オレゴン州・ワシントン州/カナダ・ブリティッシュコロンビア州)、アメリカ中西部(ミシガン州)、アメリカ南部(ジョージア州)となります(メイン州は野生種/ワイルドブルーベリー)。

昨年は干ばつ・降霜など主要産地での天候不順などが主な理由でアメリカ全体のカルチベイトブルーベリー生産量は若干減り28万トンとなりました。

フロリダは昨年のハリケーン・イアンの被害により生産量減少

フロリダ州はここ数年1.1-1.2万トンの生産量が続いていましたが、昨年アメリカ南部・東部を襲ったハリケーン・イアンで樹木に被害が発生しました。また、3月に寒波が襲来しちょうど開花期だったブルーベリーとピーチに被害が発生しました。これらの状況により2023年の生産量は1万トンを割り込み7,000-8,000トン程度になると見込まれています。

ジョージア州

フロリダに隣接しているジョージア州でも3月に寒波が襲来しちょうど開花期だったブルーベリーとピーチに被害が発生しました。フロリダ同様ハリケーン・イアンの被害も受けており、生産量は減少する見込みです。7月上旬に収穫が完了する見込みですが、例年並みの3万トン程度の生産量は確保できるのでは無いかと見込まれています。

ノースカロライナ州

例年より気温が低い状況が続いてきたため、収穫が遅れており、生産量も減少する見込み。1万トン程度に落ち込む可能性があるようです。

ミシガンは豊作を見込むも降水量の少なさが懸念材料

ここ10年で最も収穫量が大きくなる可能性もあります。降水量が少ないのが懸念ですが、5月末の時点では、気温は概ね成育に適して推移しており、雹害・降霜などもなく順調です。

6月第1週に熱波が押し寄せ、灌漑設備のある農園では樹木・果実の温度が上がりすぎないように水を散布するなどの対応をとりました。今のところ大きな被害は報告されていません。

ミシガン州でのカルチベイトブルーベリーは州西部(ミシガン湖東岸)で主に栽培されいます。

ミシガン州カルチベイトブルーベリーの栽培面積で、州西部(ミシガン湖東岸)で主に栽培されています。

カリフォルニア・北西部(オレゴン・ワシントン)は豊作の見込み

カリフォルニア州の状況

カリフォルニア州は昨年干ばつの影響で3年ぶりに3万トンを割り込みました。今年は冬期間の降雪量が充分あり、また春先にはめったに起こらない洪水が発生するなど降水量が多く、ブルーベリーの成育は順調に進んでいます。例年並みか少し増えて3万6千トン程度になると見込まれています。

Pacific Northwest (PNW / オレゴン・ワシントン州・カナダブリティッシュコロンビア州)の状況

PNWの今年の冬期の気候は例年より温暖で、降水量も例年よりも少ないものの充分にあり、例年通りオレゴン州では7月中旬、ワシントン州では7月下旬から収穫を始められる見込みです。ブルーベリーの収穫が始まる7月中旬・下旬はまだチェリーの収穫も続いています。先日お伝えしたとおり、この地域では今年チェリーは豊作の見込みとなっています。そのためブルーベリーの収穫に必要な作業員が充分に確保できるかどうかで生産量にも影響が出てくる可能性があります。