2021年ワシントン州ダークスイートチェリーは豊作の見込み

ワシントン州はダークスイートチェリーの最大の生産州で、アメリカのチェリー(ダークスイートチェリーとサワーチェリー両方)の半分以上が収穫されています。ワシントン州の中で最もチェリーの栽培面積が広いヤキマ郡では現在収穫の最盛期を迎えています。

2020年を上回る収穫量が期待

今年のワシントン州の収穫量は約21-22万トンと、昨年の18万トンと比べると15%程収穫量が増え、最も豊作だった2017年の24万トンには及ばないものの豊作となる見込みです。5月25日にご報告したRound1と呼ばれる1回目の収穫予測では23-24万トンとしておりましたが、それと比べると抑え気味の予想となっております。

チェリーの収穫統計については弊社統計ページをご参照下さい。

世界各国の生産量、アメリカの品種別生産量、生産量推移や主要生産州の郡別作付面積、輸出統計や日本の輸入統計・県別生産量などをまとめております。

降霜によりChelan種など一部の早生種で被害がでたものの寒波は2020年ほどでは無く被害は最小限でした。春先以降天候に恵まれBing種など主要品種では良好な成長が観測されています。5月に入って熱波により30℃超える日が続くなどもありましたが、今のところ熱波による大きな被害も無いようです。

アメリカ西海岸は干魃が問題となっていますが、ことチェリーの収穫においては降雨により実が濡れると実割れが発生してしまうため降水量が極端に少ない今年は非常に品質の良いチェリーが収穫されています。

昨年に引き続き新型コロナウイルスの影響下での収穫となりましたが、昨年と異なり多くの従業員・収穫従事者がワクチンを接種しており、人手不足の問題も解消されています。ヤキマ郡では人口の35%が2回目の接種を終えています(16歳以上に限定すると48%が接種済み)。

カナダ・ブリティッシュコロンビアも豊作の見込み

カナダ・ブリティッシュコロンビアでは先週より一部地域での収穫が始まりました。まだ見込みを発表するには早い段階ですが、ワシントン州同様に豊作が見込まれています。

価格は昨年と同等か

収穫量は1割ほど増えますが、国内外からの需要が高く、価格は昨年と同じ程度と見込まれています。