2019北米ブルーベリー収穫状況

アメリカメイン州(野生種)

寒く降水量の多かった春の影響でワイルド種の収穫に遅れが

米国北東部のメイン州は主にワイルド(野生種)が収穫されていますが、気温が低く降水量が多かった3~5月の影響のため、開花・結実が遅れており、通常より2週間ほど収穫開始が遅れる見込みです。収穫量にも影響がでる可能性があり、昨年並みか昨年より若干減産の5千万パウンド(22,700トン)となる見込みです。

※2019年は弊社推定値です


ミシガン州(栽培種)

1月の大寒波と冷涼な春により収穫に遅れが

1月に極渦(北極圏上空の成層圏を循環する冷気の塊で時折南下して大寒波をもたらす)に襲われた米国五大湖周辺。シカゴでは体感気温が零下45度と猛烈な寒さとなりました。

またメイン州と同様に冷涼な春となりました。ミシガン州ではカルチベイト種(栽培種)が栽培されており、早生種、中生種、晩生種と様々な品種が栽培されています。今年は早生種で春先の寒波により大きな被害が発生しましたが、中生種、晩生種は順調に生育をしているようです。収穫も10-14日遅れではありますが、ようやく7月20日頃から開始となった農園が多いようです。

実は大きく成長し、品質も良好と報告されています。州南部では既に収穫は終了し、残る北部もまもなく終了すると見込まれています。州全体としては例年並みの4万トン程度の収穫を見込んでいます。


ノースカロライナ州 (栽培種)

ハリケーンによる被害が発生

栽培種ブルーベリーの生産量で全米5位と主要産地のノースカロライナですが、昨年9月にアメリカ東部を ハリケーンフローレンス が襲いました。ノースカロライナの沿岸近くのブルーベリー主要産地でも大規模な洪水に見舞われました。海水が混じった洪水により農園が塩害によるダメージを受けており、また強風により葉が落ちるなど、2019年は収穫をせずに樹木を休ませる農園も多いと見込まれています。

ハリケーンの被害を余り受けなかった内陸部のブルーベリー農園ですが、2019年5月に熱波に襲われ5月としては最高気温39℃になるなど記録的な暑さとなりました。そのためノースカロライナ州では減産となると見込まれています。


オレゴン・ワシントン州 (栽培種)

例年より遅い開始だが豊作に

アメリカ北西部も非常に冷涼な春を迎えました。そのため開花・受粉から結実にかけて例年より気温が低く、生育は遅くなりましたが同時にゆっくりと順調に生育したため、実が大きく非常に品質の良い収穫が見込まれています。7月22日(月)の週以降収穫のピークを迎える農園が増えてくると予想されます。

早生種の生育が遅れた一方で晩生種は例年通りの生育となったため、早生種と晩生種が同時に収穫を迎える状況となったアメリカ北西部。農園は収穫で大忙しの状況です。8月中旬までが収穫の最盛期で9月頭には終了となる見込みです。

ワシントン州のUSDAが収穫に従事する作業者の最低賃金を7月に遡って上げる基準を審議しています。これが有効になると、農家あるいはパッカーが7月24日に遡ってそれ以降の作業に対して25セント/lbの上増賃金を支払うこととなり、可決された場合農園に収穫可能なブルーベリーが残っていたとしても収穫を早期に終了させる農家が出てくる可能性もあり、最終収穫量は未定となっています。


ブリティッシュコロンビア(カナダ・栽培種)

記録的な豊作が予想

カナダ・ブリティッシュコロンビアは2016年の7万8千トンが収穫量の最高記録でした。2017年は悪天候などにより6万1千トンに落ち込み、2018年は若干回復し7万2千トンとなりました。今年は2016年の記録を塗り替える勢いで収穫が進められています。