北米チェリー収穫予測

ダークスイートチェリーの収穫がまもなく始まります

アメリカの初夏を彩るチェリーの収穫がまもなく始まります。ビング(Bing)種に代表される大粒で、濃い赤紫のさくらんぼはアメリカンチェリーとして日本にも輸入されています。

アメリカではスーパー1店舗あたり毎週270kgが販売される初夏を代表する生鮮果実です。

世界のチェリー主要生産国と生産量

世界のチェリー生産量統計
世界のチェリー生産量統計(FAO)

2016-2017クロップでは、トルコが79万トン、アメリカが46万トン、イランが29万トンでした。

2017-2018クロップでは、トルコが81万トン、アメリカが51万トンと微増になった一方、イランが24万トンと不作となりました。

非公式統計ながら作クロップ(2018-2019年)はアメリカは北西部の山火事の影響で44万トンと大幅減・中国は不作、トルコで微増と大きく分かれました。


アメリカ各地域の状況

カリフォルニアの状況

2019年の収穫は昨年よりも若干遅れて開始される見込みです。しかしながら、樹上で生育している果実の状況は素晴らしく、史上最大の豊作となる可能性があります。暖冬のため充分な休眠が得られず、さらに開花時期の降霜により4万トン程度と不作だった2018年と比べると、倍以上の9万トンの収穫も視野に入っているようです。

北西部(PNW / Pacific North West)の状況

ダークスイートチェリー最大の生産州であるワシントン州は2017年に26万トン、2018年に25万トンと安定した生産を続けてきました。その中でもメインの生産地域であるヤキマ地区では今年の開花期間が約2日と例年の10日に比べて極端に短く、収穫への懸念もあるようです。そのため昨年より若干低い24万トン程度の生産量を見込んでいるようです。オレゴンも同様に4-5万トンの収穫を見込んでいます。

中西部・ミシガン州の状況

中西部のチェリー収穫は北西部から1ヶ月ほど遅れて始まります。今年は厳冬だったため、チェリーの樹が充分な休眠を得られたと考えられており、開花が旺盛になることが期待されています。ミシガン南部でようやく開花が始まったところで、現時点では確定情報はございませんが、例年並みの作柄が期待されています。収穫は7月7日頃から始まると見込まれています。

チェリー主要生産州と生産量

アメリカンチェリー主要生産地域

中西部ではサワーチェリー・タートチェリー(Sour Cherry/Tart Cherry)と呼ばれる酸味が強い加工用(ジャム・パイフィリング用途)のチェリーも栽培されています 。

ダークスイートチェリーがアメリカンチェリーのほぼ80%を占めています。最大の生産州はワシントン州で、次いでカリフォルニア・オレゴンと続きアメリカ西海岸でダークスイートチェリーの97%を、アメリカンチェリートータルの生産量としても75%以上の生産量を誇ります。