アメリカンチェリー(スィートチェリー)の収穫量は2割減と予想

アメリカ北西部(ワシントン州・オレゴン州)で収穫されているダークスィートチェリー(生鮮市場向け)の2018Cropの収穫量は豊作だった昨年度比で約2割減の2000万函(18万5千トン)となる見込みです。

 

春の開花期の受粉率が低いのが主要因

5月のチェリー協議会年総会では20万トン程度と予想されていましたが、2018年の春は気温が低く、また雨量が多かったために開花期が長くなりました。結果として受粉率が低下しました。

6月以降は天候に恵まれ、受粉した実は大きく結実し、品質面では素晴らしい状態となっています。

昨年(2017年)は春先の天候は良く、夏は逆に日照不足だったため品質は平年並みでした。収穫量は受粉率が高く、2600万函(24万トン)を超える収穫量となり史上最高の豊作となりました。

 

中国との貿易問題で価格が変動するか?

アメリカと中国との貿易摩擦により現在アメリカ産ダークスィートチェリーには10%の関税が上乗せされており、北西部より先に収穫が始まっていてカリフォルニア産のダークスィートチェリーの中国向け輸出に大きな影響が出ています。2017年は320万函(2万9千トン)を中国向けに輸出しており、収穫量の12%を占めました。このまま高関税施策が続けばアメリカ北西部産のダークスィートチェリーの中国向け輸出量も減少し、その結果その他地域向けの価格は昨年並み、あるいは若干下がるとの予想も出ています。

 

一方で、中国からアメリカに輸出されるアルミなどの追加関税を近いうちに撤廃するとの見方もあり、その場合中国側もアメリカ産の農産物にかけている追加関税を即時撤廃するとの予想もあり、価格に関してはこの2国間の交渉の行方を待つ必要がございます。