2017年の北米ブルーベリー生産統計を更新しました

北アメリカ大陸(アメリカ・カナダ)ではワイルドブルーベリー(野生種)とカルチベイトブルーベリー(栽培種)が生産されています。

ワイルドブルーベリーとは

ワイルドブルーベリーは米国およびカナダ北東部でのみ自生するローブッシュ(low bush)のブルーベリーです。緯度が高く夏には日光に長時間晒され、冬には零下30℃を下回り、栄養の乏しい酸性土壌が多く、他の作物が生育できない厳しい環境で生き延びることができる数少ない植物で、厳しい環境で生き抜くためにアントシアニンを作り出す碧い小さな果実です。

カルチベイトブルーベリーとは

多くの国で商業栽培されている品種で、苗から栽培が可能なため様々な品種が販売されています。日本で栽培されているブルーベリーや、市販されているフレッシュ・冷凍のブルーベリーのほとんどは栽培種(カルチベイト)です。高さも2mを越す果樹で、機械で収穫されます。

ワイルドブルーベリー・カルチベイトブルーベリーについての詳細や比較については、「ワイルドブルーベリーとは」のページをご覧下さい。

 

2017年北米ブルーベリーの生産見通し

2016年は北米のワイルドブルーベリー収穫量は約18万3千トンと統計史上最高の収穫量となり、価格は下がりました。カルチベイトブルーベリーは中国やヨーロッパを初め海外での需要が引き続き旺盛ですが、生産量が世界的に増大していることもあり、供給が潤沢で価格もここ数年で最も低価格となっています。

2017Cropのワイルドブルーベリーは暖冬で春の生育が良かったものの、アメリカメイン州では干ばつ気味となり過去3年のメイン州収穫量平均と比べると3割を超える減収となりました。カナダ北東部では開花時期に降霜があったり、夏場の雨量が少なかったり、価格下落により農家が管理面積を減らすなどしたため北東部マリタイムズ(ノバスコシア、ニューブランズウィック、プリンスエドワード島)で2割減、ケベック州で3割減となりました。最終的にはカナダ産で9万8千トン、アメリカメイン州で3万2千トンと北米トータルでは昨年度比3割減となり13万トン程度となる見込みです。

カルチベイト(栽培種)ブルーベリーも南部のジョージア州などでの霜害などにより収穫量が15%ほど減少し、33万トン程度となると見込まれています。

 

アメリカとカナダ国別の生産動向

北アメリカ大陸(アメリカ・カナダ)ではワイルドブルーベリー(野生種)とカルチベイトブルーベリー(栽培種)が生産されていますが、平均すると生産量の約1/3が野生種で、ワイルドブルーベリー(野生種)の内の約3/4がカナダで生産されています。ワイルドブルーベリーは移動の高い地域に自生しており、カナダの北東部マリタイムエリアの州とケベック州、そしてアメリカ・メイン州で自生しています。

栽培種は逆に生産量の80%程度がアメリカで生産されています。南はフロリダ州から北はワシントン州まで13を超える州で大規模に栽培がされています。

2017年の動向

2017年はワイルドブルーベリーの生産量が大幅に減ったことから、北米のブルーベリー生産量で野生種が占める割合が28%となり、ワイルド種が不作だった2013年に次いで史上2番めの低さとなりました。

 

 

平均すると生産量の約1/3が野生種で、野生種の内の約3/4がカナダで生産されています。<br /> 栽培種は逆に生産量の80%程度がアメリカで生産されています。
平均すると生産量の約1/3が野生種で、野生種の内の約3/4がカナダで生産されています。
栽培種は逆に生産量の80%程度がアメリカで生産されています。
2017年はワイルドブルーベリーの生産量が大幅に減ったことから、北米のブルーベリー生産量で野生種が占める割合が28%となりました。

 

 

詳細はオレゴンチェリーグロワーズブルーベリー統計ページで詳しくご報告しております。

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