糖漬けと無添加のドライフルーツ~糖質は違うの?

糖漬ドライフルーツは悪者?

ドライブルーベリーはブルーベリーを糖漬けして乾燥したドライフルーツです。ここ数年天然・健康志向の高まりなどから「砂糖無添加」や「砂糖不使用」などのドライフルーツも増えてきました。果たして砂糖漬けしたドライフルーツは糖分がすごく多く、砂糖を使わずに乾燥したドライフルーツは糖分が低いのでしょうか?文部科学省が公開している日本食品標準成分表2015年版(七訂)で公開されている主なドライフルーツの糖分を比較してみましょう。

糖分とは?

「糖分」、「糖類」、「糖質」、「炭水化物」など「糖」に関連する単語がたくさんあって紛らわしいですね。

炭水化物、糖質、糖類の関係
  • 「糖類」とは単糖類(ぶどう糖や果糖)と二糖類(砂糖や乳糖)のことです。
  • 「糖質」とは糖類に加えでんぷんや糖アルコールなど消化吸収されやすい成分のことです。
  • 「炭水化物」とは糖質に食物繊維を加えた成分のことです。

「糖」や「糖分」には決まった定義はありませんが、一般的には「糖質」や「糖類」を指している場合が多いと考えられます。

糖質は、主として脳や体を動かすエネルギーになります。日本人の食事摂取基準(厚生労働省)によれば成人では1日の摂取エネルギーの50-65%を炭水化物から摂るように推奨しています。

ドライフルーツはなぜ糖漬けされているの?

フルーツを乾燥してドライフルーツにする理由は主に3つの理由があります。

  1. そのままではすぐに腐ってしまうフルーツを長期間保存できるようにする
  2. 水分が多いフルーツをそのまま使いにくいパン、クッキーなどで素材として使いやすい性状にする(水分やpH、糖度などを調整して混ぜ込みやすくする)
  3. 乾燥することで栄養や風味が濃くなる

フルーツによってはぶどうのように単純に乾燥することができ、美味しくそして食べやすいドライフルーツになります。一方でフルーツによってはそのまま乾燥すると縮んでしまったり、固くなったりします。あるいは柔らかすぎてそのままでは乾燥できないフルーツ(イチゴやラズベリーなど)もあります。そのようなフルーツでは果実内部の水分を糖分と置き換えることで、縮まず柔らかい食感を保った状態でドライフルーツにすることができます。

粒の小さなワイルド(野生種)ブルーベリーはもともと果実に含まれる糖質が少なく(果実100gあたり9.6g)、そのまま乾燥すると固く小さく縮んでしまいそのままでは食べられません。そのため糖漬けしてブルーベリーの中にある程度糖分を染み込ませてから乾燥することが必要になります。では糖漬けしてから作ったドライフルーツと無添加のドライフルーツでは糖質にどの程度の差があるのでしょうか?

ドライワイルドブルーベリーの糖質は他のドライフルーツよりも多いの?

主なドライフルーツで日本食品標準成分表で栄養成分が公開されているドライフルーツの糖質を比較すると、ブルーベリーを糖漬けして乾燥したドライブルーベリーの糖質(79.5g)はぶどうをそのまま無添加で乾燥したレーズンの糖質(76.6g)と大きな差が無いことが分かります。

※ドライブルーベリーの栄養成分は弊社製品の栄養成分。それ以外は日本食品標準成分表のデータから計算(炭水化物 – 食物繊維)。

※ドライブルーベリー及びドライストロベリーは糖漬け後に乾燥。それ以外は砂糖を使わずに乾燥。

ですから、

“糖漬け乾燥したトライフルーツはものすごく健康に悪くて、無添加のドライフルーツは健康に良いという訳では無いのです”

無添加のドライフルーツはもともとのフルーツの糖質が多い、乾燥しても固くならないなどの理由でそのまま乾燥ができますが、ドライフルーツの状態では糖漬け乾燥したドライフルーツと糖質の量では大きな差は無いのです。

そもそもドライフルーツ自体がフルーツの栄養成分を乾燥によりギュッと濃縮したスーパーフードです。糖漬けであれ、無添加であれ栄養たっぷりのドライフルーツは食べ過ぎると炭水化物・糖質の摂りすぎに繋がります。節度をもって美味しくお召し上がり下さい。