2017チリ産カルチベイトブルーベリー動向

チリ産カルチベイトブルーベリーの生産・輸出動向

好天に恵まれ豊作に

南米チリでは11月から12月にかけて好天に恵まれブルーベリーの生育および収穫・出荷が4週間ほど早まりました。そのため予想されていた需要の最盛期と生産・出荷の最盛期がマッチせず、結果として価格の下落の一因となりました。生産量としては昨年よりも10%程増えたと予想されています。一部地域で収穫は続いているものの、その量は少なく、チリ産の今期の収穫・生産はほぼ完了しました。

今期は過去最高の輸出量を記録する見込み

今期の輸出量トータルは10.3万トンと昨季より12%増えて過去最高となりました。

チリブルーベリー委員会(Chilean Blueberry Committee)統計

この10年で作付面積が大幅に増える

チリでの作付面積はこの10年で77%も増加し、昨年度は1万6千ヘクタールにも達したと予想されています(ODEPA-Oficina de Estudios y Politicas Agrarias = Chilean Office of Agricultural Studies and Policies統計)。現在では南半球では最大の、そしてカルチベイトブルーベリー(栽培種)に限ると世界で2番目の生産国となっています。その収穫のほとんどは輸出され、アメリカ、カナダ、イギリス、オランダが主要輸出国ですが、チリとのFTAが締結されている中国への輸出が毎年2倍程度の伸びで増えてきています。2015/2016期の5,000トンから、2016/2017期では9,500トンに増えたと見込まれています。

中国市場を睨んだ開発も

栽培される品種も最も輸出量が伸びている中国市場の好みに合わせ糖度が高くまた日持ちの良いDukeやLegacy、Brigittaなどの品種の生産が伸びると予測されています。

最新テクノロジーでさらなる日持ち向上を見込む

冷凍・冷蔵コンテナの開発・製造大手のマースク・コンテナ・インダストリーはこれまでバナナやアボカドのような生鮮品を高品質のまま輸送するスタークールシステムを提供してきました。一方ブルーベリーやライチ、ブドウなどはバナナと比べると呼吸量が低く、バナナ向けのシステムとは異なった空気組成や制御が必要となります。2017年3月に高気密コンテナに二酸化炭素、窒素を導入し、輸送中に二酸化炭素濃度が既定値より高くなると二酸化炭素を排出するシステムなどを組み合わせたスタークールCA+システムを展開すると発表しました。生鮮ブルーベリーの海上輸送での日持ち向上が可能になり、さらに多くの市場へ輸出されることに繋がると見込まれています。