栽培種ブルーベリーが誕生して今年で100年目
今年は栽培種ブルーベリー(カルチベイトブルーベリー)が誕生してちょうど100年目になります。
ブルーベリーの歴史:発見から栽培種の誕生まで
アメリカ先住民の宝物
ブルーベリーはもともアメリカの先住民族が果実を食用に、葉や根などを薬用として用いてきたことが知られています。ブルーベリーは5つの花弁があり、まるで白い星が咲いたかのように見えることから、先住民族は神様からの贈り物として大切に守り伝えてきました。やがて収穫後に地表のワイルドブルーベリーを焼き、害虫や病害虫を死滅させ、翌年に地下で生き残った根から健康なブルーベリーが生長してくるという現在も引き続き行われている農作法を確立させたのも先住民達でした(最近は焼き払わずに短く刈り込む方法へ変わりつつあります)。
イギリス移民により発展
17世紀に入り、イギリスからの移民達はイギリスで行ってきた農業がアメリカでは上手くいかないことで飢餓に苦しんでいました。アメリカ先住民が気温が低く、栄養分の乏しい酸性の土壌でも育つワイルドブルーベリーが育つ場所や加工技術などを伝え、ブルーベリーの果汁や乾燥果実を用いた肉の保存技術やシロップ漬け・ジュースなどとして重用されるようになりました。独立戦争ではブルーベリーの缶詰が重要な食料として兵士に供給されるようになり、需要が大幅に拡大し、1880年代には缶詰工場で大量生産が始まりました。
栽培種の開発
需要が拡大するにつれ、ブルーベリーのさらなる増産が必要とされましたが、野生種であるワイルドブルーベリーは当時栽培ができないと考えられていました。ニュージャージー州の農家に生まれたエリザベス・ホワイト(Elizabeth White)はいち早くブルーベリーの可能性に目を付け、1910年にUSDA(アメリカ農務省)のフレデリック・コビルという研究者が発表したブルーベリーの栽培に関する報告書を読み、コビルに自分の農園の一部を試験栽培農園として提供し、同時に良質な果実を付ける野生種を挿し木で増やす中でDanfee(ダンフィー)やRubel(ルーベル)など、栽培種ブルーベリーの大本となった品種を作り出しました。
栽培種ブルーベリーの発売開始
1916年にホワイトとコビルは初めて自分たちが開発した栽培種ブルーベリーをニュージャージー州ホワイツボッグ(Whitesbog)市で販売を開始しました。
その後世界中で栽培されるようになり、現在では世界合計で45万トンを超える量が栽培されています。その始まりは一人の研究者と、その研究に可能性をかけた一人の農家から始まりました。今年は栽培種が発売されて100周年となります。
摘みたてのブルーベリーを目指したドライブルーベリー
オレゴンチェリーグロワーズのドライカルチベイト(栽培種)ブルーベリーは摘みたてのブルーベリーの味と見た目を目指し、ゆっくり糖漬けし、穏やかに乾燥。だからふっくら丸い、そしてブルーベリーの味がしっかりするドライフルーツ。だから他の味に負けることなくきちんと存在感を示してくれます。
世界中で栽培されているカルチベイトブルーベリー。その中でもオレゴンは西岸海洋性気候で夏は乾燥し、昼夜の寒暖差も大きく、甘くておいしいカルチベイトブルーベリーを育てるのに最適です。