ブルーベリーは年々硬くなっている?

カルチベイトブルーベリーの実は昔と比べて硬くなってきていると感じたことはあるでしょうか?実際近年栽培されているブルーベリーは堅く、日持ちがする品種が主流になってきています。どうしてなのでしょうか?

アメリカでは機械収穫が主流に

カルチベイトブルーベリーは世界中で栽培されています。アメリカでは多くの大規模農園で特殊なハーベスターを用いて収穫するようになってきています。

photo by Department of Horticulture, Oregon State University


ブルーベリーは本来、実が柔らかく機械収穫には向いていません。特にフロリダなどアメリカ南部で栽培されているサザンハイブッシュ(Southern Highbush)種は特に柔らかく、これまでは人手による収穫が行われてきましたが、人件費の高騰や労働力の不足などの要因からサザンハイブッシュ種でも機械収穫による効率化が求められるようになってきています。品種改良により機械収穫に適した新品種の開発や栽培が進められています。

フロリダでは新品種のテスト開始

フロリダ州立大学の食品・農業研究所はKeecrispという新しい機械収穫に適した新品種のテストを行ってきました。栽培適正や収率、約1mの高さから熟した実を落とした際のダメージテストなどを経て、今年のフロリダ州ブルーベリー栽培者組合の春季総会で正式に紹介されました。今後もフロリダだけでなく、多くの地域で同様に機械収穫や冷蔵保管中の実のダメージを抑えるために硬く、長持ちする品種が開発・栽培されていくと予想されています

ブルーベリーの気持ちになって考える機械の開発

USDAではBIRD (Berry Impact Recording Device)というセンサーデバイスを開発中です。これはブルーベリーとほぼ同じ大きさ、重さで内部にバッテリーや加速度センサーなどが収められたセンサーで、収穫機械やその後の洗浄や加工などでブルーベリーの実が受けるであろうダメージを記録し分析することで、収穫や加工設備の改良や開発に役立てるものです。

photo by USDA Bio-Sensing and Instrumentation Lab

 

このような絶え間ない改良と新技術により、ブルーベリーの品質や冷蔵での日持ちも向上を続けていくことでしょう。