2022年Pacific Northwest産チェリーは減産の予想
昨年の干ばつに続き、春の定温により生育が遅れている
アメリカのダークスイートチェリーの最大の生産地域であるワシントン州は昨年干ばつにより減産となりましたが、今年もこれまでのところ降水量も多く、観測史上3番目に寒い春を迎えました。
この時期に種を植えるスイートコーンなどの作物の植え付けも低温のため遅れており、例年この時期には80%以上の作付が完了していますが、今年はまだ40%に満たない状況となっています。
冬に作付けして夏に収穫する冬小麦も通常であれば大きく成長する時期ですが、まだ幼穂で成長がかなり遅れています。
またこの時期に開花を迎えるイチゴ、チェリー、りんご、なしやプラムなども低温と強風によりミツバチによる受粉が思うように進んでいません。
オレゴン州でも生育は遅れています
オレゴン州の最大生産地Hood River地域もワシントン州同様に低温と強風により受粉が進んでいない状況です。今後も低温と強風が続くとこの地域のチェリーの生産量は過去5年の平均と比べて35%程度下がる恐れがあると見込まれています。また通常5月下旬から始まる収穫も早くて6月5日になると予測されております。
今後の天候の回復で生産量が回復する見込みも…
5月22日(日)より現地の天候も晴れ間が覗き、気温も暖かくなってきていますが、それ以降は曇り・雨がちな天気が続く予報となっています。まだ収穫量の予想をするには早いのですが、これまでの状況から2021年よりも減産となる可能性が高まっている状態です。悲観的な予測では2022年は27万トンから29万トン程度、楽観的な予測では29万トンから31万トンと推定しております。