2021Crop北米ワイルドブルーベリーは良作の見込み
2021年のワイルドブルーベリーは8月中旬よりアメリカメイン州で、下旬よりカナダ北東部各州で収穫が始まりました。過去数年降霜・定温・干ばつや熱波など様々な異常気象により不作が続いたワイルドブルーベリーですが、今年は今までのところ、順調に生育・収穫が進んでいるようです。
カナダで2番目に作付面積の大きいノバスコシア州では今後も順調に収穫が進めば最終的には22,000 – 27,000トンの収穫が見込まれています。不作続きだった2018-2020年の3年間の平均が16,000トンでしたので、40% – 70%程生産量が増えることになります。史上最も豊作だった2015年の32,000トンには及ばないものの豊作だった2017年の24,000トンレベルまで回復することになります。
他の州でも同様の傾向だとすると北米全体で15万トンを超える可能性が出てきております。これは 不作続きだった2018-2020年の3年間の平均 11万5千トンから急速な回復となるかもしれません。
干ばつも治まる
Canada Drought Monitorによると一部の地域で異常乾燥となっているものの大きな干ばつは見られていません。昨年2020年の夏は干ばつにより不作になったことを考えると、大幅に改善しています。
ハンターには悪い知らせ
夏の終わりよりアメリカ・カナダ東部は熊のハンティングシーズンを迎えます。アメリカメイン州バンゴーの地元紙によれば、ここ数年異常気象によりブルーベリーを始め様々な果実や木の実が不作だったためハンターは撒き餌・置き餌をすることで簡単に動物を寄せ集めることができましたが、今年は果実や木の実が豊富にあるためハンターが用意する餌に見向きもしない熊が続出、ハンター達が獲物を仕留められない状況になっていると報道されています。
この報道からもカナダ・アメリカ東部のベリー類の生育が今年順調であることが示唆されています。
栽培種(カルチベイトブルーベリー)は不作となる地域も
カルチベイトブルーベリーはカナダ・アメリカ各地で栽培されていますが、特に収穫量の多いカナダ・アメリカ西部で史上最もひどい干ばつに見舞われています。そのため一部地域では収穫量が減少したり、果実が大きく成長しなかったり、果実に皺が入ったりとジュース・ピューレ向けの加工に回さざるを得ない品質の果実が増えるリスクもあります。
最も生産量の多いワシントン州北部やカナダのブリティッシュコロンビア州南部では6月以降数回にわたる熱波と5月から始まった干ばつにより地域によっては40%程収穫量が落ちる可能性が出てきております。
価格は9月下旬から10月中旬にかけて判明する見込み
ワイルドブルーベリーの収穫量が回復しても、カルチベイトブルーベリーの収穫量が落ち込んだ場合価格への影響が出てくると考えられます。ワイルドブルーベリーの2021 Cropの価格は早くても9月下旬頃、大勢が判明するのが10月になってからと予想されます。