ウクライナ:降霜により今年のブルーベリーは不作予想

ウクライナを含めヨーロッパを3月末から4月頭に襲った寒波と降霜により蕾・あるいは開花しつつあったブルーベリーに大きな被害が発生、それにより最大で50%程度の収穫減も予想されています。

春先に襲った寒波としては今世紀最大

2020年3月23日~26日に第一波目が、そして2020年3月30日から4月3日にかけて第2派となるこの時期としては珍しい勢力のかなり強い寒波がヨーロッパ全土を襲いました。

© Severe Weather Europe (SWE)

これにより4月1日の最低気温はヨーロッパの多くの地域で-5~-10℃となりました。特にチェコ北部、ポーランド南西部、モルドバ北部などは最低気温が-10℃以下となりました。

© Severe Weather Europe (SWE)

多くのフルーツ・作物で被害が想定される

ヨーロッパは日本と同様に年明けから暖かい日が多く、ブルーベリー、イチゴ、桃、チェリーなどが通常よりも早く3月末から開花を迎えました。桃・スイートチェリーでは最大で80%程度の樹に被害が、ブルーベリーでは半分程度の樹に被害が発生したと想定されています。

ウクライナではちょうど小麦の播種が始まっており、この寒波により発芽率が低下することが予想され、昨年より10-15%程生産量が落ち込むと見込まれています。収穫を6月に控えたイチゴはちょうど受粉・結実期でこの時期の寒波により多くのイチゴで果実が成長しない可能性がでてきています。

イタリア北部ではワイン用ぶどうの新芽が凍結したり、ハンガリーではアプリコットの樹が凍結するなどEU各国で被害が発生した模様です。

桃やアプリコットなどは数週間にわたって開花・受粉・結実しますので被害は部分的に限定される可能性がありますが、チェリーやイチゴなどは短期間に開花が集中するため被害が大きくなる可能性があります。