ミシガン州スイートチェリー生産量は減少の見込み

6月下旬の大雨により実割れが発生

ミシガン州で最もチェリーの作付面積が大きなリーラノー郡では6月24日(木)から週末にかけて大雨となりました。ミシガン州ではダークスイートチェリーとサワーチェリー(タートチェリー)が栽培されており、最も早く収穫されるダークスイートチェリーの早生種(ナポレオンやエンペラーフランシス種)では実割れが発生し、これら早生種では25-50%程の減産となる模様です。それ以外の品種ではまだ果実が成熟していない段階のため被害は限定的ですが、大雨の結果土壌中の水分が高い状態にあり、それに伴い雨が降らなくても実割れする可能性があります。

降雨による裂果
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ダークスイートチェリーの早生種は主にマラスキーノチェリーに加工される品種で実割れしたチェリーを使用できないため、ピューレやフィリングなどで必要とされる量以外の実割れ果実は基本的には廃棄処分となると思われます。

サワーチェリーについてはもともと皮が厚く実割れしにくいこともあり、被害は発生していないようです。

チェリーには打撃だが他の作物にとっては恵みの雨になる可能性

ミシガン州はアメリカの他の地域同様、今年は3月以降降水量が少なく干ばつ傾向でチェリーの実の生育にも影響が出ていました。ようやく収穫を間近に控えたこの時期の大雨となり生産量が減少する見込みですが、ミシガン州で栽培されている大豆やコーンにとっては恵みの雨となる可能性もあります。

昨年ほとんど無かった干魃エリアが2021年は州面積の70%が軽度以上の干魃となっていました。2日間の大雨では干魃の解消には至らないと予想されていますが、7-9月は降水量が復活するとの見込みもあり現地では干魃の解消を期待しています。

ミシガン州干魃マップ ©pdx trading