スィートチェリーの生産・輸出統計

世界の主要チェリー生産国と生産量

日本でも収穫の最盛期を迎えたスィートチェリー(さくらんぼ・桜桃)は世界60以上の国で商業的に栽培されています。その内1万トン以上を生産している国は約30、その多くが中東とヨーロッパです。サクランボはイランからトルコにかけた地域が原産と言われており、やはりトルコ、イランの生産量が多く、続いてウズベキスタン、イタリア、スペインが主要生産国となります。

アメリカには17世紀にヨーロッパの入植者により苗木が持ち込まれ、東海岸で栽培が始まりました。その後1930年代に西部開拓者によりチェリーの苗木がオレゴン州に持ち込まれオレゴン州とワシントン州でチェリーの栽培が始まりました。その苗木がやがて今日のオレゴンチェリーグロワーズに引き継がれていくことになります。

世界の主要スィートチェリー生産国と生産量(2016年/FAO統計)

 

アメリカでは主にミシガン州を中心にサワーチェリー(酸味があるため生食には向かず、ジャムやパイなど加工向けの品種)が、西海岸(ワシントン、オレゴン、カリフォルニア州)でダークスィートチェリーが栽培されています。ダークスィートチェリーの中で最も生産量が多いのがBing(ビング)種と呼ばれる色が濃く、サイズの大きいチェリーです。日本でもこの時期にアメリカンチェリーとして店頭に並びます。カリフォルニアでは5月末から6月にかけて、ワシントン州では6月中旬から7月にかけて、オレゴン州では7月に収穫の最盛期を迎えます。

アメリカンチェリーの輸出と輸出先

アメリカで収穫される約1/4~1/3がフレッシュチェリーとして輸出されています。輸出先としてはカナダと中国が最も多く、続いて韓国、台湾そして日本となります(中国の数値には中国本土と香港を含んでいます)。2017年の非公式統計では中国が3万3,000トンを輸入しており、カナダを抜いてアメリカンチェリーの輸出先トップとなりました。2018年は中国とアメリカの間の通商問題により、中国がアメリカ産フレッシュチェリーの関税を20%上げたことにより、アメリカからの輸出量に影響がでると見込まれています。

アメリカのチェリー国別輸出量(2016年/FAO統計)

 

日本のフレッシュチェリー輸入動向

日本のさくらんぼの生産量は年間約1万5,000トンほど。その3/4を山形県が占めています。海外からは年間4.000~6,000トンを輸入しており、その98%をアメリカからの輸入が占めています。

 

日本のフレッシュチェリー国別輸入量とシェア(2017年度/財務省統計)