ブルーベリーをアントシアニンの主役から引きずり下ろすライバル出現
これまで「アントシアニンと言えばブルーベリー」でした。将来アントシアニンの主役の座を他のフルーツに奪われるかもしれません。
アントシアニンは寒い地域でしかできない
アントシアニンはカナダや北欧など緯度が高く白夜になるような地域で作物が紫外線から種を守るために作り出す抗酸化物質です。基本的にトロピカルフルーツである柑橘類では冷涼な気候で育つブラッドオレンジという例外を除いてはアントシアニンを作り出すことはありません。
その常識が覆る
フロリダ州立大学の柑橘研究センター(Citrus Research and Education Center / CREC)のManjul Datt博士のチームは柑橘類の伝統的・遺伝子組換えによる品種改良を研究しています。今年発表された論文ではメキシカンライム(キーライム)にルビーシードレス種の赤ぶどうやモロ種のブラッドオレンジの遺伝子を組み込み、アントシアニンたっぷりのライムを作り出すことに成功しました。
マルガリータも紫色に?
赤ぶどうの遺伝子を組み込んだライムでは実だけでなく、葉・芽・花などでもアントシアニンが作られていて、これまでのライムとは見た目が大きく異なります。現在は主に観賞用などの園芸目的で研究が進められていますが、将来遺伝子組換えの柑橘が国際的に認可されるようになれば、オレンジは紫色が普通になって、オレンジ色という名前が変わってしまうかもしれません。
ライムはカクテルなどでもよく使われるフルーツで、ジントニックやギムレット、マルガリータなどは将来、綺麗な紫色のカクテルとして紹介されるようになるかもしれません。